マイナンバーカードは公的な本人確認書類として利用できるほか、保険証と紐づけて健康保険証(マイナ保険証)として使っている人が増えています。
そして、マイナンバーカードと運転免許証の一体化 手続きで「マイナ免許証」として利用することも可能となっています。*1
ところが、マイナンバーカードと免許証を一体化したらトラブルやデメリットも…
銀行や証券会社で口座開設しようとしたら、スマホ表示のマイナ免許証(マイナンバー免許証)では本人確認不可となり、口座開設ができない…
スマホ画面を見せても身分証明書として使うことができない…
どういうこと?? マイナ免許証のデメリットとその対策、紛失時の対応について、詳しく解説します。
マイナ免許証で金融機関(銀行や証券会社)の本人確認ができないトラブル
金融機関で口座を開く時、本人確認書類 が必要になります。
よく言われるのが『写真付きの身分証明書を提示してください。例えば「運転免許証」や「マイナンバーカード」など』というもの。
ここでは代表的な例を確認します。
金融機関(銀行や証券会社)の窓口で口座開設する場合の本人確認
銀行協会によれば、窓口で原本を直接提示することによって確認できるのは、
- 運転免許証
- 運転経歴証明書(2012年4月1日以降交付のもの)
- 旅券(パスポート)(2020年2月3日以前に申請されたもの※)
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
- 在留カード・特別永住者証明書
- 官公庁が顔写真を貼付した各種福祉手帳(身体障害者手帳など)
- 官公庁から発行・発給された書類で、その官公庁が顔写真を貼付したもの(ただし、本人から提示された場合などに限ります。)
※所持人記入欄のない旅券(2020年2月4日以降に申請されたもの)は、1点のみでは本人確認書類として使用できません。住居の記載のある他の本人確認書類等も併せて提示する必要があります。
本人確認書類って何? | 一般社団法人 全国銀行協
とされています。
スマホに入れたマイナンバーカードや、スマホアプリで表示・保存した「マイナ免許証」は本人確認書類として認められていないんです。
スマホだけ持って金融機関の窓口にいったら無駄足に…
マイナンバーカードの物理カード原本を持っていく必要があります。(本人確認手段は「免許証」としてではなく「マイナンバーカード」になります)
免許証情報がなくてもマイナンバーカード原本で口座開設できるので、この点に限れば免許と一体化する意味はないですね…
スマホなど、オンラインで金融機関(銀行等)の口座開設をする場合
毎日働いていると、日中に金融機関の店舗窓口に行くことなんてまずありません。昼休みに行くなんていうのも非現実的。
ほとんどの人は、オンラインで口座開設をした、もしくは口座開設するならオンラインでしたい、と考えるのではないでしょうか。
オンラインでの口座開設の場合、大手銀行などでは写真付き身分証明書の免許証やマイナンバーカードをスマホで撮影して画像をアップロードしたり、本人の顔写真をアップロードしたりして本人確認ができる仕組み(eKYC)があります。(大手以外だと対応していない場合も多い)
実は…
マイナ免許証読み取りアプリで表示・保存した「マイナ免許証」の画像は本人確認書類として認めてくれないようで、注意です。
マイナ免許証は本人確認書類として使えず、マイナンバーカードの物理カード本体(原本)の画像撮影やスマホなどにかざして、マイナンバーの暗証番号を入力して本人確認することになります。
まとめると、
- 本人確認書類はマイナ免許証(スマホアプリ)の画像は不可
- マイナンバーカード本体で本人確認する必要がある
- マイナンバーに紐づけたものは結局マイナンバーカード原本がないと各種手続きができない
ということ。
ちなみに「マイナ免許証を取得すれば、物理カード不要でスマホだけ持っていれば運転できる」というのも誤解で、マイナ免許のみにした人は運転中はマイナンバーカードを携帯していないと免許不携帯になってしまうので注意です。
2027年4月以降はマイナンバーカード画像での口座開設が困難に
現在主流の「写真付き身分証明書の免許証やマイナンバーカードをスマホで撮影して画像をアップロード」する方式による本人確認方法、2027年4月以降は使えなくなる予定です。
画像を偽造してアップロードする人がいるようで、本人確認厳格化のためにマイナンバーの本人認証を通さないといけなくなるみたい。
資産形成のためにオンラインでNISA口座開設やiDeCoを始めようと考えている人も多いと思いますが、手続きがややこしくなる前に口座開設しておくのもいいかもしれませんね。
結論:スマホに登録してもマイナ免許証の画像で本人確認はできないので注意
身分証明書が1枚にまとめられて個人的には「便利になった」と思ってたら…思わぬところでデメリットに。
ということで、マイナ免許証の画像で金融機関で本人確認して口座開設するのは難しいということだったんですが、マイナ免許証のトラブルやデメリットをまとめると、
マイナンバーカードと運転免許証を一体化して「マイナ免許証」にしたら、常にマイナンバーを携帯するハメに。これはデメリット。
なぜなら、スマホにマイナンバーカードの情報を入れておいても、それは本人確認書類にならないから結局「マイナンバーカード」を持ち歩かないといけない…
iPhoneにマイナンバーカードが登録できるけれど、まだ免許証や保険証の代わりにはならないし…
もし保険証と免許証を一体化した「マイナンバーカード」を落としたら…
- 運転できない(スマホアプリは運転免許証にならないのでカード現物を所持していないと運転できない)
- 病院などにいけない(健康保険証が使えない)
- 金融機関で本人確認ができない(取引できない)
想像したら怖い…
マイナ免許証、なくしたらヤバくない?
やばいよね…もしもの備えに、連絡先を確認しておきましょう。
- マイナ免許証を紛失した時の連絡先はデジタル庁のサイト(マイナンバーカードの運転免許証利用|デジタル庁)に記載があります。
- マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)で24時間365日体制で一時利用停止を受付してくれるとのこと。
紛失注意!スマホに登録しておきましょう。
*1:2025年3月24日からマイナ免許証利用可能