成瀬シリーズと言われる「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」を読んだ。
滋賀県大津市の膳所(ZEZE)のローカルな地元愛にあふれる「成瀬あかり」が主人公の小説。
2024年の本屋大賞受賞作なので気になっていた人も多いと思う。
成瀬シリーズの特徴は、
一気に読める!テンポがいい!面白い!
そしてチャレンジ精神いっぱいの、でも「熱い」わけではなく、どこか飄々とした「成瀬」を好きになってしまう物語だ。
ひたすら明るく、ポジティブ、それでいて嫌味がなく友達思いの「自由すぎる」主人公の「成瀬あかり」。
気になる…
そんな小説の舞台へ、聖地巡礼ということで滋賀県大津市まで行ってみた。
聖地巡礼「成瀬」シリーズの舞台「膳所」(ZEZE)
膳所(ぜぜ)駅はJRの膳所駅と京阪電車の京阪膳所駅が隣り合っているのだけれど、上の写真のとおりかなり田舎だ。
物語の舞台となっている膳所(ぜぜ)は地元民以外には難読地名だが、地元の滋賀県では県内随一の進学校である県立「膳所高校」(ぜぜこうこう)があることで知られている場所。
「成瀬は天下を取りにいく」の舞台、西武大津店も膳所駅の徒歩圏に実在していた*1が、現在はマンションになっている。
本を読んで訪れると…
物語の描写がそのまま風景として現れるのにびっくり!期待を持ちすぎるとよくないけれど、これはこれで楽しい。
「地域を持ち上げることはなく、フラットに書いた」と作者は話されている。
実名をうまくブレンドして織り交ぜたことで、地域にも愛される小説になり、また地域外の人も行ってみて物語を感じられるようになっているんだと思う。
これはすごいことだ。
「成瀬」シリーズのラッピング電車と「ミシガン」クルーズ
さて、主人公の「成瀬あかり」は「成瀬は信じた道をいく」で「びわ湖大津観光大使」になるのだが、現実世界の大津市内でもしっかり観光大使として活躍していた。
ラッピング電車が走っている*2のでぜひ乗ってほしい。
2両編成の可愛い電車なのだが、京阪電車が「西武大津店」と「ミシガン」、そして「成瀬」と「島崎」にラッピングされている。*3
(この京阪電車の石山坂本線を使えば、小説の舞台の近江神宮のほか、石山寺や延暦寺、日吉大社などの名所名刹にもいくことができる)
ラッピング電車に乗って、京阪膳所駅からびわ湖浜大津駅まで移動する。目の前が大津港だった。
そして眼前に広がる「びわ湖」はでかい。さすが日本一の湖だ。
そんな「びわ湖」の湖上を堪能できる「ミシガン」クルーズは自由すぎる「成瀬」の驚きエピソードの、それでいて淡々とすすむ物語に出てくる。
「ミシガン」は琵琶湖をクルーズする外輪船。60分コースと90分コースがある。
「成瀬」は年に2〜3回乗船しているらしい。
普段の混み具合はよくわからないのだけど、私が行った時は大津港の現地の窓口で当日券を買って乗船できた。(乗れないリスクがあるのでWEB予約がおすすめ)
船内では、出港の鐘(ドラ?)を乗船者が鳴らしたり、歌のショーがあったり、一緒に楽器を鳴らしたり…
せっかくだから、楽しんじゃおう!ということで楽しんできた。
さらに「ミシガン」の船内では、いろんな場所にいくことができる。
自由席だからといって狭い船室に押し込められるようなことはないので安心してほしい。
外に出て景色を眺めたり、外輪の動力を見たり、操船室に行ったり、自由に移動することができた。
赤い外輪が「ぐるんぐるん」回っているのを間近で見れる。
出航する時(バックする時)と、船が進む時は回転が逆になってるのを発見した。迫力があるゾ!
60分コースだったけれど、あっという間の1時間だった!
大津に行ったら絶対「ミシガン」に乗ったほうがいいゾ。
まとめ|成瀬シリーズの聖地 滋賀県大津市(びわ湖)に行こう!
成瀬シリーズと言われる「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」を読んだ私はすっかり「成瀬あかり」が好きになってしまった。
で、突如現地に突撃してきたわけだが、本の影響かもしれない。
大人になると色々考えてしまうが、それを振り切ってくれる。
とはいえ、主人公が思いついたことに突き進んでしまうあたり、合わない人もいると思う。
だが、純粋さを失っていない、まっすぐで自由すぎる主人公の「成瀬」に魅了される人は多いのではないだろうか。
そして、この作品を産み出すにあたって必要だった、「京都」のすぐ隣にあるのに目立たない、滋賀県の大津という場所だからこその魅力が、現地に行くと感じられたのも見逃せない。
本当にいい作品だ。この作品を改めて良い作品だと思っている。
続編が楽しみ!