「三体」は、3つの天体を太陽にもつ惑星の文明とのファーストコンタクトが描かれているSF小説である。
世界最大のSF賞と言われているヒューゴー賞をアジアの作品で初めて受賞した作品だ。
オバマ元大統領やメタ(旧フェイスブック)のザッカーバーグ氏も愛読したらしい。ベストセラーになっている、すごい作品だ。
今更ながら黄金週(GW)の連休に読んでみた。
この記事では、三体を読んだ感想を書いてみる。
「三体」の基本設定である「三体問題」について
三体は天体力学の「三体問題」に由来するとのこと。
なにそれ?と思う人も多いのではないだろうか。
「三体問題」とは、3つの天体が互いに万有引力を及ぼしあいながらどのように運動するかという問題で、解がないことが証明されているらしい。
つまり、現代文明や力学では答えがない問題ということになる。
「三体」では、三体問題を基本設定に利用していて、3つの天体を太陽にもつ惑星の文明との出会いと、そこに関係する人物や組織が描かれている。
物理用語や科学用語が出てくるので、ストーリーはともかく、使われている用語を難解に感じてしまう部分もある。
「三体」を読んだ感想
近代中国の歴史(知識階級が迫害された文化大革命)を知っていると主人公の背景を理解しやすいと思う。
そして、古代から現代までの文明の歴史的発展や物理学等の発展、およびそれらに関わった人物などが登場するので、そういった歴史や専門用語にアレルギーを感じることなく読み進める必要がある。
途中、難解に感じる部分があるけれど、象徴的な記号として捉えて読み進めていくことが必要だと思う。
前半は一つ一つの出来事が個別に描写され、一見つながりのないような話が続く。けれど、物語後半で、それまでの伏線が大幅に回収され、気持ちよく一本にまとまる。
そして次の展開がとても気になる状態で、第一部の「三体」が終わる。
読んだ感想を一言で言うなら、「三体」は面白い!
最初から中盤までは難解だと思ったけれど、中盤以降は展開が早く、スピード感も出てきて、一気に内容に引き込まれる。
自分でもそう思うくらいだから、多くの人に読まれる理由も、そのあたりにあるのだろう。
「三体」を読むなら電子インクの電子書籍がおすすめ
「三体」は現時点ではまだ文庫本化はされていない。だから、紙媒体の本で購入するなら、結構重くてかさばることになる。
本の装丁や紙面もきっと考えて作られているだろうから、原書で読みたいと思うし、紙の厚みや新しい本の匂いに惹かれることもある。
けれど、現実問題として私の場合、収蔵スペースがない。
だから電子版を購入した。同じような環境の方は、電子書籍版がおすすめだ。
ところで、文学作品を読む上で感じるのは、スマホだと目が疲れるということだ。
もともと白黒印字の書籍なら、電子インク(E-Ink)のKindle端末などの電子書籍端末で読む方が読みやすい。
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普段はスマホでニュースなどの活字を見ることが多いけれど、この作品はKindlePaperwhiteを使って読んだ。
三体を読むのも、電子インク(E-Ink)の電子書籍端末で読むのがおすすめである。目に優しいから。
ともあれ、三体は面白いと思う。
全体で3部作となっている。続きを読むのが楽しみだ。